お役立ち情報

お問い合わせ ページトップへ

相続分なきことの証明書とは

相続サポート 


 
相続に係る書類に「相続分なきことの証明書」(規定された名称ではなく「特別受益証明書」、「相続分不存在証明書」などと称されることもあります。)というものがあります。
 
相続分がないことをなぜ証明しないといけないのか? どのような場面で必要になるのでしょうか?
 
こちらのページでは、これ「相続分なきことの証明書」について解説してみたいと思います。
 

相続分なきことの証明書とは

「相続分なきことの証明書」とは、『被相続人の生前に財産を分けてもらっているので(特別受益)、自分の相続分はもうありません。』ということを証明する書類です。


 

被相続人(故人)の遺産を相続するとき、被相続人が有効な遺言書を遺していない場合、相続人全員で遺産分割協議をする必要があります。

この協議に基づき「遺産分割協議書」を作成し、この書面を用いて不動産の相続登記を行ったり、預貯金を解約したりします。

不動産の所有権の移転登記をする場合など、必ず「遺産分割協議書」を提示する必要がありますが、これに代わり「相続分なきことの証明書」の提示でもいいとされています。
 

虚偽により「相続分なきことの証明書」を作成したら

実際に生前分与があり、その事実に基づいて「相続分なきことの証明書」が作成されるのであれば全く問題はありませんが、「遺産分割協議書」を作成する手間を省くために利用される場面が多々あるようですが、これは虚偽(ウソ)に基づくものなので、後々問題を生じる恐れがあります。

過去の判例では、記載事実が虚偽であるという理由で「相続分なきことの証明書」は無効であるという見解があります。

一方、事実に基づかず作成したとしても、それにより相続人が意思表示をしたものと認められる場合は、無効ではないとした見解もあり、明確に判断基準が確立されているわけではありません。

ということは、仮に裁判になった場合、ズルズル長引いてしまうということも考えられるわけです。

ですから、後々のトラブルを避けるため特別受益の事実がないのであれば、安易に「相続分なきことの証明書」を使用するべきではありません。

 

相続分なきことの証明書と相続放棄

相続から身を引くという意味では、「相続分なきことの証明書」と「相続放棄」は似ているかもしれません。
 
相続放棄には期限があり、また家庭裁判所での手続きが必要になるため、作成が比較的簡単な「相続分なきことの証明書」を選択されるかもしれません。
 
しかし、両者は似ているようで、法律的な意味は全く異なりますので注意が必要です。
 
相続放棄をすると被相続人のプラスの財産を引き継がなくなると共にマイナスの財産(負債)も引き継がなくなるのに対し、「相続分なきことの証明書」では、マイナスの財産を相続することからは逃れることはありません。
 
つまり、故人に資産と借金があった場合に、資産はもらえず、借金を返済する義務は背負わなければならなくなるということになります。
 

相続分なきことの証明書の作成例

以下は、証明書の作成例です。ご参考になれば幸いです。
 

相続分なきことの証明書

私は、開業の際に被相続人から財産の贈与を受けております。
その贈与は相続分を超えるものであるため、被相続人の死亡による相続については相続分がありません。
 
    令和〇〇年〇月〇日
      大阪市中央区1丁目
       被相続人 〇〇
       相続人  〇〇
 

 

まとめ

  •  相続分なきことの証明書とは、自分の相続分はもう無いことを証明する書面です。
  •  虚偽による作成には注意が必要です。
  •  相続放棄と似てるようですが、中身は大違いです。

 

【相続手続き】は、みなとまち行政書士事務所にお任せください

みなとまち行政書士事務所では以下のような相続手続きのサポートをさせていただきます。

戸籍の収集をいたします。

相続手続きを進めるにあたって法定相続人を確定する必要があります。
 
法定相続人を確定するために一定の範囲内の親族の戸籍を収集することになります。
 
当事務所がお客様に代わって戸籍の収集並びに「法定相続情報証明書」の作成をいたします。
 
(ご参照:『法定相続情報証明制度について』
遺言書

遺産分割協議書(案)を作成いたします。

相続手続きを進めていく上で、遺言書が残されていない場合、遺産分割協議を行い「遺産分割協議書」を作成する必要があります。
 
この遺産分割協議書(もしくは、遺言書)がないとその後の手続きを進めることができません。
 
ご要望があれば相続人の間に立って遺産分割協議の取りまとめをさせていただきます。
 
(ご参照:『遺産分割協議について』
相続財産

預貯金の払い戻し等、相続手続きを行います。

遺産分割協議書(もしくは、遺言書)の内容に従って、故人の預貯金の払い戻しのための金融機関での手続きや自動車の名義変更手続きなどを代行いたします。
 
(ご参照:『相続手続きのタイムテーブル』

 
問い合わせページへのリンクの画面
料金表へのリンクの画面
関連ページリストへのリンクの画面
 

この記事を書いた人

大阪の行政書士 可児和武の写真
みなとまち行政書士事務所の可児(かに)と申します。

旅行が好きで、ふらっと出かけることもあります。昔は家族でよく出かけていましたが、最近は妻も娘も相手にしてくれなくなったので、一人旅を楽しんでおります。サービスエリアで1人ソフトクリームを食べているおじさんを見たら、たぶんそれはワタシです。