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故人の出入国記録の開示請求をすることはできるか?

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以前、出入国記録の開示請求に関するお問い合わせで、以下のようなものがありました。
 

『数年前に亡くなった父親の出入国記録が欲しいのですが…。』

 
亡くなられている方が、海外に不動産資産を所有されておられ、その相続に係る手続きのため外国の行政機関から故人の出入国の記録を要求されているということでした。
 
このお問い合わせに対して、『故人の出入国記録の開示請求をすることはできないです。』と回答させていただきました。
 
こちらの記事では、「なぜ、故人の出入国記録の開示請求をすることはできない?」についてみていきたいと思います。
 

まず、出入国記録の開示請求とは?

出入国記録とは、(読んで字の如く)日本を出国した日付および帰国した日付に関する個人情報であり、これらは出入国在留管理庁によって管理されています。

昔は、出入国時にパスポートに日付入のスタンプが押されていたため、パスポートを確認することで出入国の日付を調べることができました。

ただ、現在では自動化ゲートの運用によりパスポートでの日付の確認はできなくなったため、何らかの手続きのため出入国の日付や渡航先を確認する必要がある場合に出入国記録の開示請求を行うことになります。

(出入国記録の開示請求についてさらに詳しくは、コチラをご参照ください。)
 

開示請求できる人

開示請求できる人は、以下の人に限定されています。

  1. 本人
  2. 法定代理人(未成年の親または被後見人の代理人)
  3. 任意代理人

 

故人の個人情報は開示請求できない!

上記のごとく開示請求できる人に配偶者や子どもが含まれていません。

ですから、たとえ配偶者であっても本人からの委任状がなければ出入国記録の開示は請求できないということになります。

ということは、(当然ですが)既にお亡くなりになっている人の開示請求は親族の方であってもすることはできません。

 

個人情報保護法に照らしてみると

ではなぜ、身内であっても故人の開示請求ができないかについてもう少し掘り下げてみていきたいと思います。
 
『出入国記録』は、行政機関が保有する個人情報に当たります。

この個人情報に関する取り扱いについては、個人情報保護法(正式には、『個人情報の保護に関する法律』)という法律に規定されています。

行政が保有する個人情報は、原則、未公開ということですが例外があり、「自己を本人とする保有個人情報に限り公開するもの」と規定されています。(第76条1項)

また、「この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって…」と規定されており(第2条1項)、ということは死者に関する情報は個人情報保護業の適用範囲外ということになり、たとえ親族であっても故人の個人情報の開示請求はすることができない、という法律の建て付けになっています。
 

ただし一部例外があり、個人情報保護委員会のFQAによると「死者に関する情報が、同時に生存する遺族などに関する情報である場合 (例:死者の家族関係に関する情報は、死者に関する情報であると同時に、生存する遺族に関する情報である場合があります。)には、その遺族などに関する「個人情報」となります。」とあり、すなわちこれに該当する故人の個人情報であれば請求することはできるということになります。
 

以下、個人情報保護委員会のFQAをご参照ください。

Q : 死者に関する情報について、遺族から法第 76 条に基づく開示請求があった場合、当該情報を開示できるか。
 
死者に関する情報は、当該情報が同時に生存する個人に関する情報であり、かつ、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により生存する特定の個人を識別することができる場合(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなる場合を含む。)に限り、その生存する個人の「個人情報」に該当します。
したがって、死者に関する情報については、開示請求者が遺族であることや、相続手続のために必要であるとの理由のみで、遺族等による開示請求の対象となるものではなく、死者に関する情報が同時に遺族等の生存する個人に関する情報であって、当該生存する個人を識別することができる場合に限り、当該生存する個人にとって「個人情報」に該当するものであり、さらに当該生存する個人の自己を本人とする「保有個人情報」に該当する場合においては、当該生存する個人による開示請求の対象となります。
死者に関する情報が、同時に生存する個人の「個人情報」に該当するか否かについては、当該情報の内容、各行政機関等において保有する他の情報、当該他の情報と容易に照合することの可否等も踏まえて、個別具体的な事案に即して判断する必要があります。
(令和 6 年 3 月追加)

 

まとめ

  •  故人の個人情報は、たとえ遺族であっても開示することはできない。
  •  ただし、故人の個人情報に生存する個人の情報が含まれている場合、生存する個人から開示請求できる場合がある

 
 

みなとまち行政書士事務所の出入国記録調査書の取得サービス

申請書の作成はもちろん、依頼者に代わって申請の手続きまで行政書士が代理で行います。

サービス内容
  1. 申請書の作成
  2. 出入国在留管理庁への申請
  3. 依頼者への送付
料金

サポート内容 費用
出入国記録の開示請求 15,000円

 
※表示金額は消費税及び地方消費税を含んでおりません。
※送料及び申請手数料(¥300/件)は別途請求させていただきます。

 

サポートの流れ

  • 1.無料相談

    メールやお電話で、お話をお伺いいたします。


  • 2.お見積り

    お見積りを提示させていただきます。


  • 3.委任の意思確認

    見積り金額に同意いただき、委任の意思を確認させていただきます。


  • 4.必要書類の案内

    送付いただく書類の案内をいたします。
    また、委任状のひな形をメールにて送付いたします。


  • 5.料金のお支払い

    ご入金をしていただきます。


  • 6.申請書の作成

    弊事務所が依頼者に代わり申請書を作成いたします。


  • 7.申請

    出入国在留管理庁総務課情報システム管理室出入国情報開示係に申請いたします。
    申請してから1ヶ月程度で、「出入国記録調査書」の送付があります。


  • 8.依頼者への送付

    ご指定いただいた送付先に送付いたします。
    (海外への送付は別途料金を請求させていただきます。)

この記事を書いた人

大阪の行政書士 可児和武の画像
みなとまち行政書士事務所の可児(かに)と申します。

事務所のある建物の隣に大きなホテルが建ちました。
開業はもう少し先ですが、周辺が少し華やぎそうです。

 
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